東京電力福島第一原子力発電所廃炉状況視察(11月11日11:30~16:45)

 郡山市から高速で移動中、何度もグリーンのカバーをかけたダンプに遭遇する。

 全国から集まったダンプが毎日100台以上汚染された土を中間処理地に運搬するため高速道路を走っている。

福島第一発電所の廃炉状況を視察するため、高速道路から下り原子力災害被災地である双葉町と大熊町を通過する。双葉町と大熊町には放射能危険区域として未だに帰宅困難地域が存在する。

 バスの車窓から見る街並みは、10年前の時が止まったようなゴーストタウンである。住宅、ガソリンスタンド、スーパー、電気量販店など放置された状況を目のあたりにすると理不尽な移住を強いられた地域住民の無念さが伝わってくる。

現場では、詳しい被災状況の説明と厳しい放射能チェックを受け、福島第一発電所の廃炉現場に入る。 

大量の汚染水を貯蔵する1,000基を超える巨大なタンク群と巨大な残骸と化した1号機から4号機までの原子炉は異様である。

完全に人が入り込めないエリアでは、ロボットでなければ廃炉作業が行えない巨大な原子炉。気が遠くなる廃炉作業である。

 この原子力発電所を整備するのにどれだけの経費がつぎ込まれ、災害により原子炉を廃炉にするためにどれだけの費用と時間が必要なのか、途方もない費用と時間であることは容易に想像がつく。

人類が創造したものに想定外があってはならない。